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料理研究家。結婚後、アメリカ人のご主人と世界中を回ってさまざまな味に親しむ。自由な発想と独創性を生かし、多くの雑誌、テレビなどで西洋料理、洋菓子を紹介。鎌倉山の自宅の一角に洋菓子屋「ハウスオブ
フレーバーズ」を開店。近著に『ホルトハウス房子 西洋料理』(文化出版局刊)がある |


私の家は鎌倉の山の上にあります。リビングからは遠くに湘南の海も見えて、とても気持ちのいいところです。キッチンの窓からも、鎌倉山の緑の向こうに稲村ガ崎の海が光って見えるんですよ。そんな風景を眺めながら、「今日は何を食べようかな」と考えるのが私の昔からの日課です。
よく、家族の食べたいものを頑張って毎日つくっていますという人がいますが、私は全然違います。自分が食べたいものをつくって家族に食べさせるんです。文句は言わせません(笑)。くいしんぼうだからでもありますが、その方が楽しいから。夫や子どもがいて、毎日お料理しなければならないのなら、自分の好きなように楽しくやった方がいいですからね。
メニューを決めていても、買い物に行って急に気分が変わって、全然違うものをつくることもよくあります。西洋料理の予定が急に鍋ものになったり。家庭料理ですから、メニューもそんなふうに気ままです。
もちろん家族の体調やスケジュールに配慮することも大切ですが、あまり堅苦しく考えないで、自分で楽しみながらお料理した方がいいんじゃないでしょうか。そのほうがきっとお味もおいしくなると思いますよ。
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雑誌でお料理を紹介したり教室で教えたりしていると、「どうしたら料理上手になれますか」とよく聞かれます。そんなとき私は、「おいしいものを召し上がれ」って言うんですよ。私のお料理教室からは、有元葉子さんとか松田美智子さんとか、お料理を仕事にしている人もたくさん育ちましたが、みなさんにそう言ってきました。だって、本を何冊読んでも実際の味は分かりませんから。味だけでなく、香り、温度などすべて、実感するのがいちばんなんです。
私自身も、おいしいお店があると聞けば出かけて行きます。アメリカやヨーロッパに旅行するときも、どこで何を食べようか、真剣にリサーチして。だから娘に「食べもの以外のことも少し考えたら」なんて言われてしまったり(笑)。
ただ、最近はお店もとても多いし、情報も多いので厳選しないと大変。ですから、どなたが推薦しているお店か、推薦者を吟味することにしているんですよ。
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お料理をおいしくするには、感覚や技術を磨くことも大切ですが、食材を選ぶこともとても大切です。その点、この鎌倉はお魚はもちろん野菜も近くでおいしいものがとれて、本当に恵まれています。ただ新鮮なだけではなくて、いいものがわりと手軽に手に入るんです。
というのも、食材は新鮮であればいいともいえないんですね。同じように新鮮なダイコンでも、おいしいものとそうでないものがあるんです。魚でもそうです。産地、品種、時期などいろいろな理由でそうなるんでしょうけれど、同じように新鮮だと外見ではおいしいかまずいか見分けがつきません。だから、信頼できるお店を見つけるしかないんです。ちょっと遠くても、高くても、そこは頑張っていい食材を手に入れていただきたいですね。
それから、キッチンも調理器具も食器も、いつも清潔にしておくこと。味には関係ないと思われるかも知れませんが、そんなことはありません。きちんと整理整頓されていれば、スムーズにお料理できますし、食を大切にする気持ちは必ず味に出るものなんですよ。
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